関節を動かしてアクティブライフを!
血友病治療の発展により、止血管理が良好になったことで、可能な限り体を動かすことが推奨されるようになりました。 ふだん運動習慣のない方、すでに血友病性関節症がある方でも、ご自宅で無理なく運動していただけるようなメニューをご紹介します。
今回ご紹介しているメニューの目的は、以下の3つです。
- 身体能力を向上させること
- 姿勢バランスを改善すること
- 2つの目的を達成し、健康的に生活ができること
3つの目的を達成するために、本ページでは、ストレッチ、筋力トレーニング、バランストレーニングの関節トレーニングをご紹介します。
からだや関節を動かして、イキイキとしたアクティブライフを目指しましょう。
協力:国立国際医療研究センターリハビリテーション科
運動の注意点
- 関節に痛みが出ない範囲で無理のないように運動を行ってください。
- 運動に慣れていない方、関節が進行している方は、薬剤を注射した日に実施することをおすすめします。
- 運動中、関節に違和感を感じた場合は、運動を中止してください。
- 運動後は、足首や膝、肘、股関節などが熱を持っていないか、腫れていないか、痛みがないかをチェックしましょう。
- 運動後に出血を疑う場合は、薬剤の注射を、関節や筋肉に熱感があれば、冷やして安静にしてください。
- 運動後に症状が改善しない場合は、主治医へ相談してください。
1.体幹ストレッチ
▼運動の内容
- 背部ストレッチ
- 脇腹ストレッチ
- 脚関節ストレッチ
- ふくらはぎストレッチ
2.筋力トレーニング
▼運動の内容
- 側背部の運動
3.バランスエクササイズ
▼運動の内容
- ランジ
関節トレーニングを活かす歩行の安定化
歩行の安定化に必要な要素は2つあります。1つ目は「正しい姿勢」です。背中を伸ばしたり、脇腹を伸ばしたりするストレッチは、反り腰の改善につながります。また膝裏ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)のストレッチは、曲がった膝の改善につながります。
2つ目は「バランス能力の向上」です。反り腰で膝が曲がり、かかとが上がっている姿勢は、関節にかかる負担が増大し、からだのバランスも悪くなってしまいます。前後左右のランジ運動は、バランス能力を向上させ、足筋肉の強化につながります。
2つの要素を満たすことで、歩くスピードも上がり、普段の運動でも疲れにくくなります。
関節の状態は人それぞれです。関節を痛めないように筋肉をストレッチしたり、筋を伸ばさないようにしたり、注意をしてください。少しずつでもよいので毎日継続して運動を行うことを心掛け、運動能力の向上につなげましょう。
厚生労働省で推奨されている日常生活における歩数の目標値※は、男性で1日9,200歩、女性で8,300歩と言われています。「歩く」ということは、さまざまな病気の予防につながります。まずはご自身の1日の歩数を把握し、+500歩を目指して歩いてみましょう。
※出典:身体活動・運動(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html(外部サイトに移動します)
2024年5月24日現在の情報です