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Question1 血友病性関節症とは、どのような病気ですか?
はじめに
自分の関節の状態を知ることは血友病患者さんにとって大切なことです。
血友病性関節症は、関節内出血を繰り返すことによって引き起こされる関節障害です。進行すると強い痛みを伴い、関節が動かしにくくなるため、生活の質(Quality of Life:QOL)を低下させます。
近年、血友病治療薬は進歩していますが、幼い頃から出血予防管理を行っていて関節内出血の自覚がない方でも、血友病性関節症が進行していることがあります。また、進学や就職などによってライフスタイルが大きく変化する時期では、出血イベントが起こりやすくなると言われています。
定期的な関節チェックは血友病患者さんにとって必要な検査です。関節の状態を正しく把握して「変わっていない」「問題ない」ことを確認するためにも、かかりつけ医を受診して、定期的に関節チェックを行いましょう。
東京大学医科学研究所附属病院 関節外科 診療科長
竹谷 英之 先生
血友病性関節症とは、どのような病気ですか?
血友病性関節症は、足関節、肘関節、膝関節などの関節内で出血を繰り返すことによって引き起こされる関節障害です。進行すると関節破壊や骨の変形が起こり、強い痛みを伴うことから、関節が動かしにくくなります。また、最終的には関節が動かなくなる場合もあります。
血友病性関節症
もっと詳しく知りたい方へ
なぜ血友病性関節症になるのでしょうか?
関節内出血が起こると、関節内の血液を取り除くため、滑膜が働き、その結果、滑膜の増殖と炎症が起こり、痛みや熱感、腫れを引き起こすと考えられます。また、このときに細い血管が増えるため、より出血しやすくなります。なお、関節内出血を繰り返すと、過度な滑膜増殖や炎症が続くことになります。関節内に増えた炎症物質は関節の軟骨を攻撃して、関節破壊、骨の変形へ至ると考えられます。
血友病性関節症が起こるメカニズム
- 関節内出血が起こって、関節内に血液が残存すると、血液を取り除こうとして滑膜が働き、増殖すると考えられます。また、このときに細い血管が増えることから、より出血が起こりやすくなります()。
- 再び出血すると滑膜はさらに増えて、関節内の環境が悪化していきます()。
- これが繰り返されることで、関節表面の軟骨や骨が破壊されていきます。