“大きくてゆるめの靴”が、足や全身の不調の原因になっていることもあります。
いつも履いている靴の状態を確認してみましょう。
「最近、どうも疲れやすい」「膝が痛い」「腰痛や肩こりがひどい」と感じたら、一度、ご自身がいつも履いている靴をチェックしてみてください。靴底の減り方は左右で均等でしょうか? 履き口は変形していませんか?中敷きに大きくすり減っているところはありませんか?【図1】。
本来、靴は足にぴったり合ってさえいれば、それほど大きく型崩れはしないものです。このため、変形していたり、ある特定の部分だけが極端に摩耗したりしているのは、“足にぴったり合っていない靴”である可能性が高いです。
一般に男性が靴を選ぶ時、「脱いだり履いたりしやすい」「締め付けられるような感覚が嫌い」といった理由で、多くの方は大きくてゆるめのものを求めがちです。しかし、そうした大きすぎる靴では足をしっかりとホールドできないために、靴の中で足が前滑りしてしまったり、歩行の際に横揺れを起こしてぐらついたりしてしまうのです。
前滑りや横揺れが繰り返されると、靴の履き口がだんだん広がっていきます。すると、さらに足が不安定になり、無理に踏ん張ろうとしたり、あるいは靴が脱げないよう無駄な動きをしたりするために足関節や膝関節に負担がかかって、痛みが出やすくなります。また、全身のバランスも崩れ、重心に偏りが出て歩行の際の足の運びにもねじれが生じます。これが靴底の片減りの原因のひとつです。さらに、歩行が不安定になると、下半身のみならず上半身にも余計な力が入ってしまいます。このため、疲れやすくなったり、腰痛や肩こりといった全身の不調が起きたりする可能性があります。つまり、合わない靴を履いていることが引き金になって、まるでドミノ倒しのように足関節から膝関節、そして腰から肩へと不調がどんどん広がるかもしれないのです。
こうした足に合わない靴が引き起こす不調ドミノを止めるには、靴底が片減りしたり、履き口が大きく変形したりした靴をいつまでも履き続けないことが肝心です。「履き慣れているから」などといって、そうした靴を漫然と履き続けていると、関節や全身にさらなる悪影響をおよぼすことがあります。なるべく早く、足にぴったり合った靴に履き替えるようにしましょう。
その他の靴や中敷きの変形からみた足の不具合についてはこちら(PDFで開きます)から