20歳までの方が利用できる医療費助成

2020.01.22

監修

荻窪病院 ソーシャルワーカー 谷内 智男 先生

20歳未満の血友病の方が利用できる医療費助成制度は次の2つです。

  1. 長期高額疾病に対する高額療養費制度(特定疾病療養受療証)
  2. 小児慢性特定疾病医療費助成制度
この2つの制度により、自己負担なく治療を受けることができますが、医療費の助成を受けるためにはそれぞれの制度ごとに申請が必要です。
血友病の方は、医療費助成のほかにも日常生活において必要な装具や設備などに対し、助成制度や社会福祉サービスの対象となることがあります。

長期高額疾病に対する高額療養費制度(特定疾病療養受療証)

制度の概要

医療保険には「高額療養費制度」といって、病院の治療費が一定額を超えた場合、その超えた額を助成する制度があります。本制度は高額療養費制度の一環で、血友病などの長期間にわたって継続しなければならず、著しく高額な医療費が必要となる疾病について、1カ月の自己負担限度額が1万円となる制度です。
この制度を利用するためには、加入している医療保険から発行される「特定疾病療養受療証」が必要です。

「特定疾病療養受療証」の交付について

申請の窓口

加入している医療保険の窓口

申請に必要な書類

申請には以下の書類が必要です。

  • ① 健康保険特定疾病療養受療証交付申請書(本人が記入)
  • ② 特定疾病(血友病)に関する医師又は歯科医師の意見書(主治医が記入)

申請書の様式は加入している医療保険により異なります。詳細は医療保険の窓口へお問い合わせください。

特定疾病に係る高額療養費支給申請手続きについて

  • 調剤薬局での負担額がある場合は、医療機関の外来診療分の負担金額と合算して1万円を超えた分が高額療養費の対象となります。
  • 入院・通院では別々に自己負担限度額が設定されていますので合算対象外となります。
  • 同じ医療機関でも医科と歯科は別です。歯科治療が血友病によるものであれば、給付の対象になります。

注意ポイント

本制度は申請した月の1日から適用されます。
引っ越しや就職などで保険証が変わったときには、忘れずに申請してください。

小児慢性特定疾病医療(児童福祉法)

制度の概要

小児慢性特定疾病対策は、児童の健全育成を目的として、疾患の治療方法の確立と普及、患者家庭の医療費の負担軽減につながるよう、医療費の自己負担分を補助するものです。この制度により、「特定疾病療養受療証」によって負担となる1万円が助成されます。

申請の窓口

保護者の方の住所地を管轄する保健所または福祉事務所

申請に必要な書類

  • 医療意見書
  • その他の書類(お住まいの自治体によって異なります)

小児慢性特定疾病医療費助成制度を利用するためには、自治体により指定された「指定小児慢性特定疾病医療機関」で診断を受け、「小児慢性特定疾病指定医」に意見書を記載してもらう必要があります。
対象となる医療機関や医師は各自治体から公表されています。お住まいの地域によって担当となる自治体が異なることがあります。指定都市、中核市にお住まいの場合には各市の担当窓口へ、その他の地域の場合には、都道府県庁の担当窓口へご相談ください。

注意ポイント

本制度は自動更新されないため、毎年の更新が必要です。
小児慢性特定疾病医療受給者証には有効期限があり、毎年の更新が必要です。継続申請も新規申請同様の手続きが必要になりますので、有効期限を忘れずに確認しておきましょう。 18~20歳の方は新規の申請ができませんので、特に注意し忘れずに更新してください。

本制度ついての詳細は、こちらよりご確認いただけます。
「小児慢性特定疾病情報センター」ホームページ
https://www.shouman.jp/ (外部サイトに移動します)

2022年2月18日現在の情報です

TOPへ戻る