日常的な足のケア方法

2019.02.15

監修

特定非営利活動法人(NPO)オーソティックスソサエティー 理事長 整形外科医 内田 俊彦 先生

血友病の方の靴選びは、基本的には血友病でない方の靴選びと同じです。
靭帯を痛めている方は簡単なマッサージでケアしましょう。

血友病の方の場合の靴選びは、基本的に血友病でない方の場合と同じです。ただ、血友病の方は関節の状態が個々で異なるので、どの靴がよいとは一概にはいえません。しかし、たとえば足関節に不安がある方では、衝撃をより吸収しやすい厚めの中敷きを入れたり、ハイカットシューズを履いたりして足関節を保護するような工夫をするとよいでしょう。心配なことがあれば、主治医や主治医と医療連携している整形外科医、あるいは靴の専門家であるフットケアトレーナーに相談するようにしてください。

実は、足に合わない靴を履き続けていると、足がしっかりと安定しないので、知らないうちに捻挫を繰り返し、いつの間にか靭帯を痛めていることも多いのです。そこで、足の靭帯が伸びていないかを簡単に確認する方法をご紹介します。まずイスに座って両足を伸ばします。次に、円を描くように足を回したり、上げ下げしたりしてみます【図6】。足関節を動かせる範囲(可動域)が極端に狭かったり、左右差が大きかったりすれば、靭帯を痛めている可能性があります。

【図6】 靭帯の自己チェック

図:靭帯の自己チェック

図:靭帯の自己チェック

靭帯が伸びていると、歩行の際にそれを筋肉の動きで補おうとするために、足が疲れやすくなります。このため、一日の終わりには、足をケアするようにしましょう。具体的には、ゴムボールや食品用ラップフィルムの芯を潰して柔らかくしたものを土踏まずの部分に敷き、その上に約3分間立つとよいでしょう【図7】。こうすると、前脛骨筋・後脛骨筋・長腓骨筋といった足を動かすための重要な筋肉の終点が集まっている土踏まずの部分がほぐれて、足底全体の筋肉がゆるむのです。なお、この時に、青竹踏みのように足踏みをする必要はありません。また、土踏まずの下に敷くものは、軽く湾曲しているものにし、痛みを感じたらすぐに休止しましょう。

足は身体の土台です。足にぴったり合った靴を選んだり、一日の終わりにこうした簡単なマッサージをしたりしてケアするように努めましょう。

【図7】 足の疲れをとる土踏まずのケア
図:足の疲れをとる土踏まずのケア
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