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ライフステージサポート:乳児期編

2020.02.25

監修

聖マリアンナ医科大学病院 看護師 吉川 喜美枝 先生

監修者からのメッセージ

お子さんが「血友病」と診断され、これからどのように育てていけばよいのか、不安な気持ちを抱かれていることと思います。

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日々の生活の中で心配なことも多いのではないでしょうか。ほかの親御さんたちも同じような気持ちを話されます。これから血友病の治療をはじめることになりますが、治療法はとても進歩しています。現在では、適切な治療と日常生活の注意点を知っておくことで、健常児と変わらない生活ができるようになってきました。子育てには心配がつきものです。医師や看護師、そして周囲の人たちのサポートを受けながら、お子さんの成長を一緒に支えていきましょう。

乳児期は、成長発達が著しく、日々いろいろなことができるようになる時期です。

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お子さんが自分で動けるようになると、ぶつけたり(打撲)することも増えていきます。そのような出血リスクを減らすための工夫を行い、出血した時にも早く対応できるように準備しておきましょう。
イラスト:イメージ

お子さんの成長にあわせて気をつけたいこと

日常生活で注意したいこと

生後半年を過ぎたころからは動きが活発になるため、打撲によるあざ(皮下出血)や口腔内出血も増えてきます。衣類や住環境などを工夫して、出血のリスクを減らすようにしましょう。

月齢 発育の目安 注意したいポイント 出血リスクを減らすための工夫
6~7ヵ月 寝返りができるようになる

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  • ・足をばたつかせたり、寝返ったはずみでぶつけたり、ベッドなどから転落する
  • ・床やかべにぶつけたりする
  • ・ベッドには柵を設置して、転落を予防する
  • ・段差のある場所に転げ落ちないように、クッションや座布団で保護する
  • ・フォークやスプーンは、木製や先が丸いものを使う
  • ・尖ったものや角張ったものなどは、お子さんの手の届くところに置かない

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8~10ヵ月 ひとりすわり、はいはいができるようになる

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  • ・すわった状態からバランスを失って後ろに倒れる
  • ・玄関やベランダなど段差のある場所に転落する
  • ・お子さんの後ろや横にクッションや座布団をおいて座らせる
  • ・ひざにサポーターをつける
  • ・部屋の柱や壁、床、家具の角などを柔らかい素材でカバーする
  • ・部屋の整理・整頓を心がける
  • ・玄関やベランダ、階段に通じる出入口に柵を設置して、転落を予防する

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11~12ヵ月 つかまり立ちができるようになる

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  • ・ふらついて、打撲し、頭部や口の中を切る
  • ・転倒して、頭部を打撲する
  • ・しりもちをつく
  • ・家具の隙間に身体が挟まる、ぶつける
  • ・ベランダや玄関など石材の床に柔らかい素材のマットを敷く
  • ・オムツを2枚はかせる
  • ・ズボンのおしり部分にキルティングやパッドを縫いつけて二重にする

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「外から見えない部位の出血」に気づくための観察ポイント

血友病では、頭蓋内、関節内、筋肉内などで出血します。出血すると、痛みや腫れなどの症状を伴います。とくに頭蓋内出血は、生命にかかわる重大な出血であり、ぶつけたり、転落などの明らかな原因がないこともあります。言葉で伝えることができない乳児期のお子さんの「外から見えない部位の出血」に気づくためには、いつもと変わった様子がないか、注意することが大切です。

観察のポイント

  • 嘔吐
  • けいれん
  • 意識がはっきりしない
  • 眠ってばかりいる
  • 発熱、不機嫌
  • 顔色が悪い
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疑われる出血

頭蓋内出血

発見や対応の遅れにより死亡、後遺症を残すこともある

緊急性が高く、すぐに受診が必要
頭を打ったとき、高い所から落ちたときは、すぐに病院に連絡を

観察のポイント

  • 歩かなくなる、手を使わなくなる
  • 着替えのときなど手足に触られるのをいやがる
  • 片足をつかないなど不自然な動作がみられる
  • 触れると腫れや熱感がある
  • 左右の腕・足で大きさが異なる(関節・腫れ)など
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疑われる出血

関節内・筋肉内出血

応急処置( RICE ライス ライス)を行う
早めに凝固因子の補充(注射)が必要なため、病院に連絡を

観察のポイント

  • あざができる
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疑われる出血

皮下出血

基本的に凝固因子の補充(注射)はせず、患部を冷却し様子をみる

ただし顔面(特に目の周りや首)にあざや大きな血の塊のこぶができたときは、病院に連絡を

出血した場合の応急処置: RICE ライス ライス

出血した(出血が疑われる)場合は、応急処置としてその部位の安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)を行います。対処法の頭文字をとり、RICE(ライス)と呼ばれます。RICE(ライス)は、痛みを和らげて、再出血を予防するための重要な処置です。

図:冷却 図:安静 図:挙上 図:圧迫
  • Rest(安静):出血部位を動かさないように、安静にする
  • Ice(冷却):タオルで包んだ保冷剤や氷で、出血部位を冷やす
  • Compression(圧迫):圧迫包帯やサポーターなどで出血部位を適度に圧迫する
  • Elevation(拳上):出血部位を心臓より高く挙げて止血しやすくする

Q1

「どうしてうちの子が血友病に…これから、どうやって育てていけばいいのか…」という思いが頭からはなれません。

A1

血友病と診断された親御さんの多くが同じように不安な気持ちを経験されます。

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親御さんの多くは、不安でたまらない気持ちになります。ご自分を責めてしまい、涙される方も少なからずいらっしゃいます。これは大きな衝撃を受けたときに心を守るために起こる正常な反応です。
しかし、その不安な時間を過ごす中で、少しずつ前向きな気持ちになり、「頑張って育てていこう」「私が頑張らないと」と考えられるようになったと、多くの方が話されています。ひとりで頑張ろうとせず、ご家族や医師・看護師、周囲の人たちの協力を得ながら、お子さんの成長を見守り、支えていきましょう。

ワンポイント・アドバイス

患者会に参加してみましょう。血友病のお子さんをもつ親御さんたちとの出会いは大きな励みになったと、多くの方が話されています。とりわけ、ほかの血友病の患者さんやご家族の経験や日常生活に根差した具体的なアドバイスは、他では得ることのできない貴重なものです。これからのことを考えていく上でたくさんのヒント、そして勇気を得られるでしょう。

*お近くの患者会については、医師や看護師に相談してください。

Q2

父親はどのように関わっていったらよいのでしょうか。

A2

お母さんと支え合い、二人でお子さんを育てていきましょう。

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血友病のお子さんは、通院や家庭での注射、日常生活で転ばないように注意するなど、お母さんの役割が大きくなりがちですが、お父さんの協力も必要不可欠です。例えば、日々の子どもの様子を報告するお母さんの話に耳を傾ける、通院に付き添ってお子さんの注射を見守る、家庭での注射を一緒に行う、といったこともお母さんの支えになります。血友病のことや治療法、出血時の対応について、お父さんもしっかり理解しておきましょう。
お子さんが成長し、思春期を迎え、父親と男同士の絆が必要となるとき、父親として頼られる存在であるためにも、お母さんと支え合って、二人でお子さんを育てていきましょう。

次のライフステージにむけて

保育園や幼稚園への入園は、お子さんにとって初めての集団生活です。どこに、どのような施設があるのか、入園にあたって血友病であることを伝えるか・伝えないか、伝える場合には誰にどのように話すのかなど、情報を集めながら少しずつ準備をしていきましょう。

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