血友病患者さんの口腔内出血

2024.11.08

監修

奈良県立医科大学 口腔外科学講座 講師 柳生 貴裕 先生

奈良県立医科大学 小児科学教室 教授 野上 恵嗣 先生

口腔内出血はさまざまな原因によって起こりますが、代表的なのは虫歯、歯周病などの歯の病気によるものです。虫歯や歯周病があると、歯茎の炎症や腫れが起こり、出血しやすくなります。また、転倒して口をぶつけてしまったり、舌や頬を誤って噛んでしまったりして出血が起こることがあります。
出血が起こっても、通常は時間が経てば自然と血は止まります。しかし血友病患者さんの場合は、なかなか血が止まりにくいことがあるので注意が必要です。特に、口腔内は常に唾液で洗われるためにかさぶたができにくい、食事や会話などで常に口の中が動いている、などの状態があるために、出血が長く続いてしまうことがあります。
出血を起こさないようにするためには、まず血友病の治療をきちんと行うことが大切です。決められた製剤の投与は続けるようにしましょう。
また、日頃から口の中を清潔に保つことが大切です。正しい歯みがきを心がけること、そして、定期的に口の中の状態をチェックしてもらえる“かかりつけの歯医者さん”を持つことをおすすめします。

説明イラスト:虫歯や歯周病 説明イラスト:食事中に誤って負傷
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