虫歯の原因の1つに糖分があります。砂糖などの糖分が長く口の中に残っていると、確かに虫歯にはなりやすくなります。しかし、だからといって「砂糖をとらないようにしよう」と考える必要はありません。
よくないのは「だらだら食べ」です。食事をすると、口腔内細菌が食事に含まれる糖分を分解して酸を作り出します。その結果、口の中は酸性に傾き、歯の表面が溶けやすくなります。ふつうは唾液の作用で中和されて中性に戻るのですが、糖分を含む食品や清涼飲料水などを頻繁に口にすると、口の中が酸性に傾いている時間、すなわち虫歯になりやすい時間が長くなってしまうのです。
間食をするにしても、時間を決めて、だらだら食べることがないようにしましょう。また、運動などをして水分を多く取る必要がある場合は、糖分が入った飲み物は避けるようにしましょう。スポーツドリンクにも糖分が入っている場合がありますので、水やお茶がおすすめです。
軟らかい食事は、硬い食事に比べて噛む回数(咀嚼回数)が少ないので、唾液の量が少なくなります。唾液の量が少ないと、口の中が酸性に傾いている時間が長くなるので、それだけ虫歯や歯周病になりやすくなると言われています。
「硬いものを食べると歯茎に当たって血が出そう」と心配する方もいるかもしれませんが、長期的に考えれば、硬い食べ物もしっかり噛んで食べることが、歯の健康につながると考えられます。
フッ素には、歯質を強化したり、エナメル質の修復を促進したりする作用があることが知られています。フッ素を虫歯予防に取り入れる方法には以下の3つがあります。
最も効果が期待できるのは①ですが、②③も毎日の使用で効果が期待できます。一度、かかりつけの歯科医に相談してみるとよいでしょう。
キシリトールには、虫歯菌の増殖を抑え、口の中を酸性にしにくい働きがあることが報告されています。また、キシリトールを含むガムを噛むことによって唾液の分泌が活発になり、口の中の自浄作用が働きます。この2つの作用によって虫歯になりにくくなるとされていますので、適度に摂取してみるとよいでしょう。
ただし、フッ素もキシリトールも、歯みがきの代わりになるものではありません。歯みがきはきちんと行った上で、補助的に使うことが大切です。