子どもには、靴を正しく履かせる指導も大切です。
足に合った靴を選んでも、子どもがそれを正しく履けなければ意味がありません。ほとんどの子どもは、立った姿勢のまま足を靴の中に滑らせ、トントンとつま先部分を地面に打ち付けるようにして履きますが、それは間違った履き方です。
必ずイスに腰かけて靴ベラを使って足を靴に入れ、地面に踵(かかと)をつけた状態でつま先を上げ、紐を結んだりマジックテープで留めたりするのが正しい靴の履き方です【図5】。こうした正しい靴の履き方を子どもに指導するのも大切なことです。
- イスに腰かける
- 靴の履き口を大きく開いて、靴ベラを使って足を入れる
- 踵(かかと)を地面につけ、つま先を上げて靴の踵部分をしっかり合わせる
- つま先を上げた状態のまま足首側からマジックテープをしっかり留める
「小さい子に靴ベラを使わせたり、靴紐を結ばせたりするのは難しいのでは?」との声も聞かれますが、小さい頃から靴ベラを使わせるのは、大人になってからも正しい方法で靴を履く習慣を身につけさせるためです。また、ある私立小学校の入学テストでは、子どもに紐靴を履かせて紐が結べるかをみる課題もあると聞きます。幼稚園児ぐらいになれば、きちんと指導すれば靴ベラを使ったり、紐を結んだりすることはできるようになりますので、チャレンジしてみてください。
なお、ゆったりした靴ばかり履き慣れている子どもでは、ぴったりした靴を履かせると「きつい」ということが往々にしてあります。しかし、しばらくそのまま歩かせていればだんだん慣れてきて、やがて何もいわなくなります。もしも、それでも「痛い」といった時には、慌ててワンサイズ大きめにするよりも、まずは中敷きを薄いものに取り換えるようにしてみましょう。安易にサイズアップしないことが大切です。