「ゆったりした靴の方がよい」と思い込んで、大きめの靴を選んでいませんか?
「育ち盛りの子どもは、すぐに足が大きくなるから、ワンサイズ大きい靴を買うようにしている」という保護者の方は多いのではないでしょうか。しかし一般に、子どもの足は成長するといっても3歳以降になるとサイズ(足長)【図1a】は、半年間で5mmずつしか大きくなりません。このため、ワンサイズ大きめのものを買ってしまうと、お子さんはサイズが合っていない靴を半年近くも履き続けることになるのです。
また、大人でも「私は幅広・甲高の足だから、いつも2Eなどの幅が広めでゆったりしたタイプのものを選んでいる」という声を多く耳にします。実は、これまで日本人の足は幅広・甲高といわれてきましたが、日本人の体型は徐々に変化しており、ワイズ(足囲)【図1b】※が欧米人並みに細くなってきているのです。実際、20代の女性67名の足のワイズを測定したところ、2E以上のいわゆる幅広タイプは30%に過ぎなかったとのデータ1)もあります。
つまり、多くの方が足を正しく測定することのないまま、「ゆったりした靴の方がよい」と思い込み、足に合っていない大きめの靴を選んでしまっているのです。
とくにこれまでずっと幅広の靴を履いてきた方は、ぴったりの靴を履くと最初は「きつい」と感じ、より大きな靴を求めがちです。しかし、私のところに「幅が広い3Eの靴を履いても足が痛くなる」といって相談に来られた方々に、足の大きさを正しく測定し、ぴったりした細身の靴を合わせてあげると、みなさん「歩きやすいし、履いていてとても気持ちがいい」と感想を述べられます。そして、そのジャストフィットした靴のサイズやワイズが、普段履いていた靴のものよりもかなり小さいことに驚かれます。
みなさんは、ジャストフィットした気持ちがいい靴を履いていますか? もしそうでなければ、「ゆったりした大きめの靴がよい」という思い込みは捨て、一度、靴の専門家に足を正しく測定してもらってはいかがでしょう。