おすすめのスポーツ

2024.03.08

監修

敦賀医療センター リハビリテーション科医長 竹谷 英之 先生

人と激しく接触するような出血リスクが高いものでない限り、
基本的にやってはいけないスポーツというのはありません。
一方で、ウオーキングや水泳は、みなさんにお勧めできるスポーツです。

運動の強度や接触の有無、からだにかかる負担などは種目によって異なります。このため、米国血友病財団(NHF)では、ケガをするリスクを考慮してスポーツの種目を「低リスク(レベル1)」「低~中リスク(レベル1.5)」「中リスク(レベル2)」「中~高リスク(レベル2.5)」「高リスク(レベル3)」の5段階に分類し、血友病などの出血性疾患がある方にはレベル1~2のものを推奨しています【表2】(別ウインドウで開きます)。からだにかかる負担がスポーツによって異なるのと同様に、血友病の重症度や関節の可動域は人によって異なりますし、種目に対する好みや得手不得手も人によって分かれるでしょう。したがって、チャレンジしてみたいスポーツがたとえレベル2.5以上のものであっても、あきらめる必要はないと思います。私は、基本的にやってみたいと言うものは、それがよほど人と激しく接触する危険なものでない限り、きちんとした止血管理がなされていれば、どのような種目であっても『ご自身のからだと相談しながらトライしてみてください』と背中を押すようにしています。

また、自宅にこもりがちになっている方には、『気分転換に家の周りを散歩してみませんか?』『通院時には、駅から病院まではタクシーではなく、ウオーキングにしてみませんか?』とお勧めすることもあります。ウオーキング、すなわち「歩くこと」は、人間にとって大事な基本能力です。ウオーキングならば、生活に即しており、特別な道具も必要としないので、手軽に始められると思います。また、ウオーキングと同様に、水泳も関節への負荷が少ないのでお勧めです。

まずはご自身でやってみたいと思うスポーツにチャレンジしてみてください。やっているうちに、楽しくなり、例えば水泳であれば、「以前より長い距離が泳げるようになった」ということが自信につながり、継続する励みになってくると思います。

【表2】米国血友病財団(NHF)でのリスク分類

詳しくは、こちら(別ウインドウで開きます)をご覧ください。

National Hemophilia Foundation(NHF):Playing it Safe Bleeding Disorders, Sports and
Exerciseより一部改変
https://www.hemophilia.org/sites/default/files/document/files/Playing-It-Safe.pdf
(外部サイトに移動し、PDFで開きます)

2024年2月14日現在の情報です

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