短期(3ヵ月以内)海外留学 血友病の方のための留学準備
持ち物の準備を万全にする

2024.01.31

監修

荻窪病院 血液凝固科 臨床心理士 小島 賢一 先生

持ち物の準備を万全にする

出入国に必須の貴重品や現地の事情にあった日用品などのほか、製剤の準備と持ち込み方法について確認しましょう。

1~3ヵ月間の短期留学であれば、止血コントロールに必要な製剤や皮下注射セットは、予め日本で準備しておいたものを自分で留学先に持ち込むことになります。持参する製剤の数は、出血のしやすさや渡航期間によって異なるため、主治医と相談して決めましょう。その際、留学先ではアクティビティに参加したり不測の事態に巻き込まれたりすることもあるので、少し多めに見積もっておきましょう。ただし、渡航先によって*は薬剤の持ち込み制限がある場合もあるので、よく確認しましょう。

チェックリスト
  • パスポート、航空券、現地通貨やクレジットカードなど、出入国に必須の貴重品を用意する
  • 日用品や衣類、電気製品を用意する(プラグや電圧なども確認する)
  • 留学期間中に必要な製剤とその付属品を揃える
  • 留学先への製剤の持ち込み方法を確認する
  • 血友病や製剤に関する英文証明書を用意する
  • 滞在先での製剤の保管方法を確認する

※例えば、オーストラリアでは、3ヵ月分以上や滞在期間を大きく上回る量の医薬品を持ち込む場合には、許可が必要となります。

お役立ち情報 4

【 海外短期留学の際に持ち込む止血コントロールセット 】

  • 製剤
  • 製剤を入れる保冷ボックス、保冷剤
  • 注射の付属品(投与セット、廃棄容器)
  • 駆血帯、絆創膏  など

英文の各種証明書やレターを用意する(お役立ち情報5を参照)

渡航先への入国や税関手続き、あるいは飛行機への搭乗の際の荷物検査で、薬剤の持ち込みが問題になることがあります。また、渡航先で医療機関を受診することもあるかもしれません。そうした場合に備えて、主治医に英文の証明書を書いてもらい、持参するようにしましょう。なお、オーストラリアでは自身が使用する医薬品や医療器具の大半の手荷物の持ち込みが認められていますが、オーストラリア到着時には必ず出入国管理を行うAustralian Border Force職員にすべての医薬品を申告しなければなりません。その際、使用医薬品名と処方量を明記した英文の処方箋、もしくは診断書が必要となるので主治医に作成してもらってください。

また、留学先の学校、あるいはホームステイ・学生寮などの滞在先で薬剤を入れる冷蔵庫を借りる際、血友病について説明の必要があるかもしれません。そうした場合は、血友病についてまとめて書いてあるレターをプリントアウトし、それを相手に見せるとよいでしょう。

お役立ち情報 5

世界血友病連盟(World Federation of Hemophilia:WFH)のホームページに掲載されている各種レター例。

【 治療する医師へのレター例 】

【 税関宛のレター例 】

【 空港セキュリティ、客室乗務員宛のレター例 】

※弊社製品をお使いの方のレター例は、こちらをご覧ください。

お役立ち情報 6

在日オーストラリア大使館ホームページに掲載されているFAQからの抜粋(一部改変)

医薬品、医療器具などを持ち込むことはできますか?
オーストラリア国内に医薬品ならびに医療器具を持ち込む場合:
オーストラリアへの入国者には、旅行者向けの例外措置(Traveller’s Exemption)が適用されます。これにより大半の医薬品、医療器具の場合、ご自身の使用、もしくは同伴の乳幼児等、直近の家族の使用のための手荷物持ち込みが認められています。
つきましては入国時の不要なトラブルを避けるため、以下のルールに従ってください。
  • 係りつけのお医者様を通じて、使用医薬品名と処方量を明記した英文の処方箋、もしくは診断書をご準備ください。
  • 医薬品は調剤された包装状態のまま、ラベルを剥がさずにお持ち込みください。これにより入国時、含有された物質の特定が容易になります。
  • 持ち込み可能な医薬品の分量は、最大3か月服用分です。3か月分以上の医薬品服用分を持ち込む場合には事前の持ち込み許可が必要です。
  • オーストラリア到着時には、必ず出入国管理を行うAustralian Border Force 職員に全ての医薬品を申告してください。
  • この例外措置は、手荷物内に持ち込む医薬品に限り適用されます。
  • ご自身、または同伴する直近の家族以外の使用のために、オーストラリア国内に医薬品及び医療器具を持ち込むことはできません。

https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/faq_aboutaustralia_jp.html(外部サイトに移動します)

お役立ち情報 7

血友病に関して英文で書かれた参考資料

【世界血友病連盟(World Federation of Hemophilia:WFH) による16ページの冊子】

【米国血友病財団(National Hemophilia Foundation:NHF)による短文の説明資料】

お役立ち情報 8

留学先別リンク一覧

2024年1月22日現在の情報です

TOPへ戻る

外部サイトに移動します。

リンク先のウェブサイトは中外製薬株式会社が運営するものではないことをご了承ください。

はい

いいえ