後天性血友病Q&A

2024.07.08

後天性血友病になる原因は?どんな人がかかりやすいのでしょうか?
血液凝固因子に対するインヒビターがつくられる原因は、まだわかっていません。 関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど自己免疫性疾患、がんといった病気を持っていること、妊娠や分娩(出産)などをきっかけに、自己抗体がつくられてしまうことが知られていますが、そのような素因がない方にもあらわれることがあります。 また、高齢者の発症が多いことから、加齢も原因の1つと考えられています。 特定の薬の使用が関連するという報告もあります。
どんな検査をするのでしょうか?
血液検査を行って、どのくらい血が止まりにくいのか、その程度や状態を調べます。 血液検査では、血小板数や、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、血液凝固第VIII因子活性、血液凝固第VIII因子インヒビターなどを測定します。 血液検査は診断時に加え、治療中にその効果を確認するために定期的に行います。また、治療が終わってからも、再発(出血症状が再びあらわれること)していないかなどを調べるために、治療が終了してから半年間は月に1回、1年後までは2ヵ月に1回、その後は半年に1回といった間隔で検査を受けることが勧められています。
後天性血友病は治りますか?再発することはありますか?
免疫抑制療法を続けていく中でインヒビターがつくられなくなり、インヒビターがからだの中から消失すれば一旦治療を終えることができます(寛解とよびます)。 海外の報告では、70 ~ 80% の方が寛解すると報告されています。 また、日本の報告では、発症からインヒビターが消失するまでの期間の中央値※は2.0ヵ月で、インヒビターが消失した方のうち81% の方が半年以内に消失したと報告されています。 ただ、残念ながら、一部の方では、治療が終了したあとにインヒビターが再びつくり出されてしまうことがあります。 海外の報告では、再発する確率は約20%で、免疫抑制療法を中止してから再発するまでの期間の中央値は7.5ヵ月だったと報告されています。そのため、治療が終了してから少なくとも数年間は、病院に通って経過観察を受ける必要があります。 病気の進み具合や再発しているかどうかは、症状だけではわかりません。病院で検査を受け、主治医の判断を仰ぎましょう。決して自己判断はしないようにすることが重要です。 ※ 中央値とは、データの数値を小さい順に並べた時に真ん中にくる値を指します。
日常生活で気をつけることはありますか?
自己抗体がつくられている間は、常に出血しやすい状態であることに注意が必要です。 凝固因子の働きが回復するまでは、出血しないように激しい運動を避け、けがや打撲、転倒などに気をつけましょう。 また、抜歯などの歯の治療や手術などが必要になったら、必ず主治医に相談してください。 症状が安定していたり、治療を終えたりしても、主治医の指示に従って、病院で検査を受けましょう。
治療にかかるお金はどのくらいですか?
後天性血友病は、指定難病医療費助成制度の対象です(病名:自己免疫性後天性凝固因子欠乏症)。指定難病の助成対象になると、自己負担の割合が下がり、かつ上限額が定められるため、所得に応じた一定の自己負担額で治療継続が可能となります。 指定難病の医療助成を受けるためには、「医療受給者証」が必要です。 詳細は「後天性血友病に関する医療費助成について(こちら※要リンク設定)」をご参照ください。
持病の薬は続けてもよいでしょうか?
後天性血友病で使用する薬によっては飲み合わせが悪い薬や、後天性血友病を悪化させる可能性がある薬もあります。持病などで処方されている薬があれば、他の病院から処方されている薬や湿布薬なども含め、全ての薬を後天性血友病の治療の主治医に伝え、続けてもよいか相談してください。
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