保因者とは

2024.07.18

監修

聖マリアンナ医科大学 小児科学 講師 山下 敦己 先生

遺伝性疾患の原因となる遺伝子をもっているが、発症していない人のこと。血友病の保因者は2つのX染色体のうちの1つに、血友病の原因となる遺伝子を持っている女性と定義されます。
第Ⅷ因子が不足している場合を血友病A、第Ⅸ因子が不足している場合を血友病Bとよびますが、この第Ⅷ因子、第Ⅸ因子に関する遺伝子はX染色体の上にあります。女性はX染色体を両親から1つずつ受け継ぎ、合計2つあるため、そのうちの1つに血友病の原因となる遺伝子変異があったとしても特徴が現れにくく血友病の保因者となります。しかし、保因者の中には血友病の定義を満たす凝固因子活性値を示し、重く長引く月経や、産後出血などの出血症状を経験する方もいます。
血友病の保因者は、血友病の家族歴から保因者であることが明らかな「確定保因者」と、保因者の可能性がある「推定保因者」に分けられます。
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